森からハンドメイドする人
April 12, 2021
縫製作家 田村和子
商品づくりのときに,田村が大切にしていることは
「何が主役か?」ということです。
今回の主役は「木」。
MOTOMOTOKUMAのデザイナーである工藤がプロダクトデザインしたものを,製作していくのが田村のミッションでした。
手やミシンで縫う,という縫い仕事は経験豊富な田村にとってお手のものですが,今回のTree Leather(ツリー・レーザー)という素材は木であるがゆえに縫えません。
どうやったら縫製ではない方法で商品を完成させるか。
主役を主役として引き立たせるか。
さまざまな方法を試し,何度も何度も試作品づくりを行いました。
そんな田村の縫製デビューは6歳のとき。
子供服を手作りしたり編み物をよくしていた母親の影響で,田村も縫い物が大好きになりました。
大人になって縫製を仕事にしたかったのですが,当時は自信がなくて薬剤師の道へ。
しかし,こどものころから鍛えられた手芸技術とセンスはいろんな人の目にとまり,
数々の制作の依頼を受けています。
松山市圓満寺の「お結び玉」づくりをきっかけに開運グッズの開発,制作も手掛けました。
今回のTree Leather カードケースは,久万の子育て中のママたちに作ってもらうため,工程の整理や簡略化,使いやすい道具の選別など工夫をこらし,丁寧に技術指導を心掛けました。MADE in KUMAの仕組みづくりは田村の大きな仕事のひとつでもありました。
常に針と糸を持ち歩き,隙間時間ができれば縫い物をしている田村は,
多くの人に,この商品を通して木の良さを知ってもらいたいと考えています。
そして,森のストーリーが広まっていくことを願っています。
Kazuko Tamura